むら雲と月?小さい月だったんですね。
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珍しい文様の初期伊万里吹墨月兎六寸皿です。
山下朔郎著書 “新撰古伊万里染付皿“ 創樹社美術出版 P38 “吹墨吾妻屋に兎文中皿”と、同手が紹介されています。
紹介文をそのままご案内します。
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吹墨の兎の中で優れた珍しい作品を紹介しよう。
この構図の物は私が古伊万里染付皿を発刊した翌年の昭和46年に有田の今泉家で初めて拝見し、かねがね紹介したいと思っていたものである。
兎は左下に、18図短冊のあるところには二軒のあずま家があたかもおとぎ話の小人の家のように青白く浮び出ており、上方にはむら雲と月が描き添えてある。こんな夢のある楽しい構図を考え出した、当時の工人の想像力をほめたたえねばならない。まことに初期伊万里らしい優品である。
寛永期。卑古場。百間(辻)
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山下朔郎先生の紹介文が最高です。

品 名 初期伊万里吹墨兎東屋七寸皿
品 番 SH-05
時 代 江戸初期 1630-1640年代
サイズ 口径 19.4cm(19.2)
全高 3.3cm(2.5)
底径 6.7cm
状 態

トリアシ・ジカン有

価 格 SOLD

詳 細

 

見込に14p程表裏に通るニュー、かろうじて爪にかかる程度(裏は8p弱、ほぼ高台内)

表裏に甘手によるジカン有
表は所々、裏半分程はほぼ全面、他は所々
(ジカンは釉下で収まり表面にダメージ無)

縁縁6割程に、縁ジカン・ムシクイのガサツキ・釉切・凹凸有(縁ジカンは釉下、ガサツキの凹凸多少)

鍔縁に製作時の釉下シワ、表裏に通るがダメージ無
鍔縁に極薄い煙多少、目立たず気にならない程度

左右全高差有、座りに影響無、吾妻屋が下がり気味 月兎高め

極小灰振・釉切・凹凸・シワ・濃淡・呉須漏・ムシクイ多少

詳細はお問い合わせ下さい

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江戸初期に日本で初めて磁器が生産され伊万里と呼ばれました。

最初の伊万里を初期伊万里と呼びます。(1610年代)
初期伊万里の大きな特徴は、小さな高台、厚みのある器形です。
初期伊万里は生掛けで作られています。
(成形後乾燥、素焼無で絵付、乾燥後釉薬を掛け窯に入れる)
後の時代、柿右衛門様式の伊万里と異なり、ふんわりとした暖かみのある仕上がりです。
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始まったばかりの生産技術は当然未熟でした。

轆轤の使い方、呉須や釉薬の精製方法、登り窯の温度調整等、
初めての事ばかりで大変だったと思います。
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窯中、呉須発色の不具合、釉薬と磁体の伸縮の不具合、温度調整の不具合で煙が入ったり、器形に歪みが出たり・・・・等々。

ただ、日本初の磁器生産に対する職人たちの強い気持が初期伊
万里の魅力になっています。
蒐集家を虜にした初期伊万里の魅力を感じて戴ければ嬉しいです。